目次
第1回石川県総合模試 金大附属高校合格ラインはこちら
日程と時間割
推薦合格発表日
1月31日(金)
学力検査実施日
2月8日(土)9日(日)
合格発表日
2月10日(月)郵送にて
※上記全て2025年のもの 2026年版の発表があり次第、更新します
1日目
国語(100点配点)9:00~9:50
理科(100点配点)10:15~11:05
英語(100点配点)11:30~12:20
2日目
数学(100点配点)9:00~9:50
社会(100点配点)10:15~11:05
独特な入試配点システム
※県内外の公私立中学を、ここでは「一般中学」と呼称します

選考①
推薦合格が約65名
(金沢大学附属中学から約35名、一般中学から約30名)
選考②
5教科500点満点の学力検査に内申書を加味して約45名
(金沢大学附属中学から約25名、一般中学から約20名)
選考③
最後の10名は、英語の得点を2倍に、他4教科のうち最も得点が高かった科目の得点を2倍に、そこに内申書を加味して5教科700点満点で選考します。附属中学、一般中学関係なく10名が選考されます。
例を挙げます。

5教科500点満点なら300点で同点のAさんとBさん。Aさんは数学が最も点数が高く、Bさんは理科が最も高い点数でした。これを金沢大学附属高校の700点満点に換算すると・・・

Aさんは英語と数学の得点が、Bさんは英語と理科の得点が2倍になります。その結果、BさんはAさんの合計得点を上回り、合格へ有利になります。
金沢大学附属高校 合格者平均点

金沢大学附属高校への合格ライン
2024年度の金沢大学附属中学入試の結果をもとに、合格ラインについて考察します。目安となるのは「平均点」です。この年の全体平均点は297.9点でした。
まず「合格ほぼ確実ライン」ですが、附属中学の生徒は300点以上で全員合格しており、平均点前後を取れれば合格圏内と考えてよいでしょう。一方、一般中学生は284点以上で全員合格しており、平均点より15点低いスコアでも合格圏内です。
合格ほぼ確実ライン
附属中:平均点前後(約298点)
一般中:平均点-15点(約283点)
次に「ギリギリライン」ですが、附属中学生では271点で合格者、264点で不合格になった例があります。したがって平均点より20~25点低い点数がギリギリラインでしょう。一方で一般中学生では260点での合格も確認されており、附属中と一般中の逆転現象も見られました。ただし、255点以下では全員不合格でした。平均点より35点低くても滑り込み合格も可能だと思われます。
ギリギリの合格ライン
附属中:平均点-25点(約273点)
一般中:平均点-35点(約263点)
2024年度は例外的に平均点が低めでしたが、他年度でも「320点で合格圏内、300点でも可能性あり」という傾向があります。例年の平均(315〜335点)をふまえても、この合格ラインは信頼できるデータといえるでしょう。
英語の傾向と対策
金沢大学附属高校の英語入試では、問題構成に一定の特徴があります。全体の出題は以下の4つの大問で構成されています。
大問1:リスニング
(A:対話文/B:スピーチ/C:スピーチに関するディベート)
大問2:誤文訂正
大問3・4:長文読解
長文読解が最大の難所
この中でも、特に保護者の方に知っておいていただきたいのが、大問3と4の長文問題です。大問4に至ってはB4サイズで1ページ半ほどの長さがあり、中学3年生の通常の学習ではまず出会わない分量です。単なる語彙力や文法力だけでなく、集中力と読解への忍耐力が問われます。
しかも、長文の内容も簡単ではありません。たとえば令和5年度は外国人の就労ビザについて、令和6年度は読み取りづらいストーリー仕立ての文章が出題されました。長くて難しい上に、内容も抽象的という点で、非常に手強いです。
とはいえ、意外なことに設問そのものは決して難問ではありません。英文を「何となく」日本語に訳すだけでも、選択肢を絞り込める問題が多く、特に記号問題は消去法が有効です。
【具体例】令和6年度 大問3・問3
下線部(3)“diligent in”と近い意味を持つ選択肢を次のア~エから1つ選びなさい。
ア:dangerous at/イ:dedicated to/ウ:decided to/エ:different from
下線部(3)の前後では、「日本人の接客態度」や「お客様は神様」という価値観について述べられています。その文脈から、「diligent」は「真面目」「熱心」といった意味が推測できます。
・アの「危険な」、ウの「決心する」、エの「異なる」は明らかに文脈と合わない
・消去法で残るイ「dedicated to」が正解です
ちなみに、
diligent:勤勉な
dedicated:献身的な、ひたむきな
といった意味です。もちろん、単語の意味を知っているのが理想ですが、知らなくても文脈から推測する訓練が大切です。つまり、全文を完璧に理解する必要はなく、「何となく読める」で解ける問題が多いのです。
同年の大問4は非常に難解な物語文でしたが、あるネイティブスピーカーに確認したところ、英文は「アメリカの中学生レベル(英検準1級相当)」とのことでした。日本の中学3年生すべてにこのレベルを求めるのは現実的ではありません。しかし、英検準2級程度の語彙力と読解力があれば、「何となく理解できる」レベルには到達可能です。
反対に、英検3級以下の英語力や、石川県総合模試(北國新聞社主催)で偏差値60未満の場合、長文の意味を「何となく」でも取ることが難しくなります。このような場合は、長文の訓練量を増やすことが重要です。
また、意外と多くの受験生が苦戦するのが、英文中に出てくる単語の注釈です。注釈を確認するたびに流れが分からなくなり、読解の妨げになることも少なくありません。ですので、英検2級レベルの単語までは暗記しておくと、スムーズに読解が進みます。
誤文訂正は得点源に
最後に、大問2の誤文訂正について触れておきましょう。この問題は、附属高校を目指す生徒にとっては比較的やさしい部類です。たとえば、
時制が一致していない
主語が複数形なのに is を使っている
主格と目的格の代名詞の誤用
といった、教科書レベルの基本文法を理解していれば十分に対応できます。これまで学校の授業を丁寧に受け、教科書をきちんと暗記してきた生徒であれば、確実に得点できるパートといえるでしょう。
まとめ:対策のカギは「精読力」より「推測力」
金沢大学附属高校の英語入試では、長文の分量と難しさに圧倒されがちですが、設問そのものは丁寧に読めば解ける内容です。大切なのは、長文すべてを理解しようとするのではなく、「分かるところから推測して解く姿勢」。英検準2級以上の語彙力をベースに、「文脈から推測する力」を鍛えていきましょう。
数学の傾向と対策
金沢大学附属高校の数学入試は、全体でB4サイズ3〜4枚分の構成となっており、大問1〜5まで出題されることが多いです。出題傾向は年度によって多少異なりますが、一定のパターンが見られます。
【出題構成の例】
大問1:小問集合(計算・確率など)
大問2~4または5:応用問題(図形・方程式・関数など)
過去3年間の出題例は以下の通りです。
令和6年度
大問2:平面図形(三角形・三平方)
大問3:連立方程式(売買算)
大問4:関数(ダイヤグラム)
令和5年度
大問2:連立方程式(売買算・割合)
大問3:関数(二次関数・等積変形)
大問4:平面図形(円・合同・相似・三平方)
大問5:空間図形(平面図・三平方)
令和4年度
大問2:平面図形・空間図形(三平方)
大問3:連立方程式(売買算・割合)
大問4:関数(動点と面積)
大問5:平面図形(円・三平方)
大問1は基本問題、でも油断禁物
大問1では、以下のような問題が出題されることが多くなっています。
(1)計算問題(平方根・累乗)
(2)二次方程式
(3)確率
(4)四分位数
年度によって問題順で多少の入れ替えはありますが、二次方程式・確率・四分位数は4年連続で出題されていますので、ほぼ「定番問題」といえるでしょう。
(1)は、計算問題とはいえ、平方根や累乗など、工夫が必要な設問も含まれており、計算力が低いとつまずく可能性が高いです。普段の学習から「正確さとスピード」を両立できるような練習が重要です。
全体の難易度は”やや難”レベル
入試全体としての難易度は、決して極端に難しいわけではありません。ただし、「やや難」な問題が揃っているため、石川県総合模試(北國新聞社主催)で数学偏差値60未満の生徒には厳しい内容となります。一方で、偏差値65以上の生徒であれば満点も十分に狙える構成です。
【学習戦略】基礎→標準→やや難 の順に積み上げる
合格に向けた学習戦略としては、まず基礎と標準の徹底が最重要です。
・中3夏までは基礎・標準問題の定着に集中
・秋以降に、やや難レベルの問題で実戦力を養成
附属高校の数学は、奇問・難問の出題はほぼありません。むしろ、丁寧に考えれば解ける“良問”が多く、問題を解くこと自体が楽しいと感じられる内容です。入試問題を通じて、出題者である先生方の「思考力を問いたい」という意図も伝わってきます。
【よくある落とし穴】早すぎる難問対策は逆効果
よくある間違いが、「基礎が固まっていないうちに難問に手を出す」というパターンです。焦って難しい問題に取り組んでも、伸び悩みやモチベーションの低下を招きやすくなります。
難問は“演習として楽しむ”程度にとどめておくのがベストです。日々の学校の定期テスト(附属中学では単元テスト)範囲の中で、やや難問に挑戦することで、自然と応用力が育っていきます。
まとめ:努力する子にきちんと応えてくれる入試
金沢大学附属高校の数学入試は、基礎力をしっかり積み上げてきた生徒にこそ報われる内容です。難問の“演習ばかり”に偏るのではなく、まずは土台となる計算力・思考力を確実に養うことが合格への最短ルート。
一つひとつの問題と丁寧に向き合う姿勢を大切にしながら、無理のないペースで実力を伸ばしていきましょう。