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日程と時間割
2025年度のものがまだ発表されていないので、2024年度のものを掲載します。例年通りであれば、2月の第2週目の土日に学力検査が行われます。
推薦合格発表日
2024年2月1日(水)
学力検査実施日
2024年2月10日(土)11日(日)
合格発表日
2024年2月13日(火)郵送にて
1日目
国語(100点配点)9:00~9:50
理科(100点配点)10:15~11:05
英語(100点配点)11:30~12:20
2日目
数学(100点配点)9:00~9:50
社会(100点配点)10:15~11:05
独特な入試配点システム
※県内外の公私立中学を、ここでは「一般中学」と呼称します
選考①
まず推薦合格が約65名(金沢大学附属中学から約35名、一般中学から約30名)。
選考②
5教科500点満点に内申書を加味して約45名(金沢大学附属中学から約25名、一般中学から約20名)選考します。
選考③
最後の10名は、英語の得点を2倍に、他4教科のうち最も得点が高かった科目の得点を2倍に、そこに内申書を加味して5教科700点満点で選考します。附属中学、一般中学関係なく10名が選考されます。700点満点の配点について、例を1つ挙げます。
5教科500点満点なら300点で同点のAさんとBさん。これを金沢大学附属高校の700点満点に換算すると・・・
Aさんは英語と数学の得点が、Bさんは英語と理科の得点が2倍になります。その結果、BさんはAさんの合計得点を上回り、合格へ有利になります。
金沢大学附属高校 合格者平均点
金沢大学附属高校への合格ライン
合格ほぼ確実ライン(附中):平均点±0点
合格ほぼ確実ライン(一般):平均点-15点
合格ギリギリライン(附中):平均点-20点
合格ギリギリライン(一般):平均点-35点
2024年度の入試を例にして考察します。まず、平均点が297.9点(上表参照)でした。金沢大学附属中学の生徒たちは300点以上なら全員合格しているので、平均点を取れれば合格はほぼ確実と思われます。一方、一般中学の合格ラインは少し下がります。284点以上で全員合格しているので、平均点より15点低くても大丈夫だと思われます。
次にギリギリラインを見ます。私が確認した限りではありますが、合格者最低点は附属中学生で271点、一般中学生で260点を確認しております。逆に264点で不合格になった附属中学生も確認しております。260点台で附属中学と一般中学の逆転現象が起きています。一方、250点台以下はいずれも不合格でした。ですからギリギリラインは上記になると予想されます。
2024年度は極端に平均点が低かったのですが、他の年度においても大体「320点でほぼ合格、300点でも望みはある、一般中学なら290点でも合格する子がいる」というイメージですから、315~335点平均の例年を鑑みても上記のラインは信頼できる数値かと思います。
英語の傾向と対策
大問1:リスニング
A:対話文
B:スピーチ
C:Bについてのディベート
大問2:誤文訂正
大問3:長文
大問4:長文
大問3と4の長文はとても長く、特に大問4はB4で1ページ半ほどの長さです。中学3年生が普通に学習していたら出会うことのない長さです。読解には高い語彙力や文法力はもとより、その長さに耐えうる忍耐力も必要です。その上、テーマも難しい。令和5年度は外国人の就労ビザなどについて、令和6年度は内容を把握しにくい物語文。長文は長いうえに読みにくいです。
しかし、実は設問自体は難しくありません。該当部分の英語を何となく日本語に訳するだけでも答えに近づきますし、記号問題は消去法で解くこともできます。消去法については次に挙げる「令和6年度 大問3 問3」を例にして見ていきます。
令和6年度 大問3 問3
下線部(3)diligent in と近い意味として、最も適切なものを次のア~エから1つ選びなさい。
ア dangerous at
イ dedicated to
ウ decided to
エ different from
下線部(3)の前後には「日本人のお客に対するおもてなしの姿勢」「お客様は神様だと言う日本人労働者」について書いてありました。ですから diligent の意味が分からなくても「真面目」「一生懸命」のような意味を推測できます。そうすると、アの「危険な」は違うでしょうし、ウ「決心する」やエ「異なる」も全く関係ありません。となるとイしかありません。
※ちなみに
diligent 勤勉な
dedicated 献身的な、ひたむきな
という意味です。
もちろん、diligent や dedicated の意味を知っているのが一番ですが、このように知らなくても推測できます。長文は、ある程度の内容が把握できていれば、設問は比較的簡単に解けます。ですから「何となく分かった」でいいから読み進めることです。
外国人の方に尋ねたところ、大問4の長文はアメリカの中学生レベルの文章だそうです。つまり英検準1級レベルです。しかし、全ての中3受験生に準1級レベルを読解させるのは無理です。前述の通り「何となく分かった」でいいので読めれば、設問には解答できます。ただ、それには英検準2級以上の英語力は必要です。英検3級以下、石川県総合模試(北國新聞社主催)で偏差値60未満だと、何となくすら分からないでしょう。
あと、すごく地味な点なのですが単語の注釈が多いので、この点に煩わしさを感じる受験生も多いです。チェックする都度、文意や文脈が分からなくなるそうです。英単語だけでいいので、英検2級まで暗記しておくと有利になります。
最後に、誤文訂正は難しくないです。附属高校を受験するレベルの生徒であれば簡単です。過去の表現があるのに完了形を使っていたり、複数形なのに is になっていたり、目的語の位置に主格の代名詞が書いてあったり、どれも平易です。教科書暗記をしっかりして来た子なら大丈夫です。得点源になるでしょう。
数学の傾向と対策
大問1:小問集
大問2~4または5で3~4ページ分
(例)令和6年度
大問2:平面図形(三角形・三平方)
大問3:連立方程式(売買算)
大問4:関数(ダイヤグラム)
(例)令和5年度
大問2:連立方程式(売買算・割合)
大問3:関数(二次関数・等積変形)
大問4:平面図形(円・合同・相似・三平方)
大問5:空間図形(平面図・三平方)
(例)令和4年度
大問2:平面図形・空間図形(三平方)
大問3:連立方程式(売買算・割合)
大問4:関数(動点と面積)
大問5:平面図形(円・三平方)
大問1について。
(1)計算(平方根または累乗計算)
(2)二次方程式
(3)確率
(4)四分位数
となることが多いです。ただ、令和5年度は(3)に平方根の問題が入って(4)と(5)に確率と四分位数が出たり、令和4年度は箱ひげ図が(5)に加わったり、令和3年度は(3)に指数問題が入って令和5年度のように(5)まであったりします。少し年度によって異なりますが、二次方程式・確率・四分位数はほぼ確定です、4年連続出題ですし。(1)(2)の計算は、ただの計算問題です。しかし、想像以上にとても複雑で計算力の低い子は落としてしまうでしょう。当たり前ですが高い計算力が求められます。
難易度としては、実はそれほど難しくありません。とはいえ、やや難レベルがそろっているので、石川県総合模試(北國新聞社主催)の模試で数学の偏差値が60未満の子は太刀打ちできないレベルです。逆に偏差値65以上の子であれば満点を狙えるレベルです。
基礎標準レベルの実力をまずしっかり固め、その土台にやや難問の演習を積み重ねていくイメージです。具体的には、中3夏休みまでは基礎標準固め、秋以降に難問に取り組む。おまけとして定期テスト(附属中学は単元テスト)対策に試験範囲の難問を楽しむのがいいでしょう。基礎が固まっていないうちに慌てて難問に取り組む子もいますが、よした方がいいでしょう。伸びません。
基礎標準を固める努力。
難問演習を楽しむ姿勢。
附属高校入試は難問・奇問は出ませんので、難問演習をしすぎないように。上記したように「楽しむ」くらいが良いです。実際、入試は楽しい問題が多いです。附属高校の先生方のセンスを感じます。そして、基礎標準を固める努力はしっかり払いましょう。努力を払えない子は門前払いを食らうでしょう。