泉丘高校受験について

日程と時間割

学力検査実施日
 2025年3月11日(火)12日(水)
合格発表日
 2025年3月19日(水)正午

1日目
 国語(100点配点)9:00~9:50
 理科(100点配点)10:10~11:00
 英語(100点配点)11:20~12:10
2日目
 社会(100点配点)9:00~9:50
 数学(100点配点)10:10~11:00

例年より1週間ほど遅くなっています(2024年度入試は3月6日・7日実施でした)

公立高校入試 合格者平均点と人数分布

泉丘高校への合格ライン

合格ほぼ確実ライン:平均点+130点
合格ギリギリライン:平均点+115点

理数科合格ライン :平均点+160点以上

2024年度の入試を例にして考察します。まず、平均点が259点(上表参照)でした。そして380点以上の子はほぼ全員合格しております。ですから平均点+120~130点以上あればほぼ確実に合格できたと推測できます。念のため、合格ほぼ確実ラインは+130点としました。

一方、377点で不合格、375点で合格、というケースも2024年度にはありましたので、375点前後が合格ギリギリラインと推測できます。このギリギリラインの子たちは内申点も考慮される関係で、上のような逆転現象が起きます。

なお、このギリギリ合格ラインは年々上がっている印象です。以前までは平均点+95~105点ほどでしたが、近年は10点ほど上がっていると感じます。泉丘人気の表れです。以降も泉丘人気は高まっていくでしょう。

あと、理数科ですが、年度によって合格ラインはかなり上下します。平均点+160点はまず必要かと思います。+180点必要な年度もあります。

最後に、参考までに主な公立高校の合格ギリギリラインも掲載します。
二水高校 :平均点+85点
桜丘高校 :平均点+70点
錦丘高校 :平均点+45点
金沢西高校:平均点+20点
野々市明倫:平均点±0
年度によって多少上下しますが、目安としては丁度いい点数だと思います。学校のテストの平均点と比較する際にもご活用ください。

国語の傾向と対策

大問1:漢字(読み4問・書き4問)
大問2:長文(主に説明文)
大問3:長文(主に物語文)
大問4:古文
大問5:作文(200文字程度)

難易度は全国的に見ても高く、県内で見れば金沢大学附属高校の国語入試問題よりも難易度が高いです。その理由の1つとして設問数の多さがあります。2024年度は31問、2023年度は29問、そして過去10年見ても27~31問で推移しています。1問に2分をかけられない計算になります。記述問題や作文もあり、文章も読まないといけないのでこれは大変です。

また、記述問題の文字数の多さも難易度を上げている一因です。2024年度は大問2の問6で60字、問7で70字。2023年度は大問2の問7で80字。大問2の最後に70字レベルの記述問題が出るようです。言いたいことのコアを決め、そこに肉付けして記述を仕上げる練習を積んでいないと書けないでしょう。

一方で漢字と古典は平易です。特に漢字は小学生レベルです。漢字は16点配点、古典も16点配点と毎年固定されています。ここの32点分を確実に得点できると、国語の得点は安定します。

文法は減少傾向にあります。2024年度は7点分の出題で、2023年度においては4点分しか出題されませんでした。品詞を答えたり用言の活用形を答えたりする難解な問題は出ていません。文節を区切る、修飾被修飾の文節関係を押さえる、助詞や助動詞などの意味の違いを理解するなど、簡単なものが多いです。あまり対策しなくても解けるかと思います。

作文は5~10分でまとめる練習をしましょう。とにかく時間が足りなくなりがちな国語。作文をいかに速く書けるかが時間節約の鍵になります。1文を長く書きすぎない、主語と述語の関係を崩さない、漢字で書けるものか漢字で書く、丁寧な字で書く等々、基本的な部分を気を付けて書けば10点中8点は得点できます。漢字・古典と同様、得点源にしたいです。

理科の傾向と対策

大問1:小問集
大問2~5:各単元より
大問6:複合問題
(例)2024年度
大問2:消化(生物)
大問3:イオン(化学)
大問4:ばね(物理)
大問5:月と金星(地学)
大問6:植物・電気・地学の複合問題

記述問題が多い印象ですが、記述問題と作図はこの数年減少傾向です。10年前の2015年度は10問、そして2018年度の12問をピークに、2023年度は5問、2024年度は6問です。内容も定番問題が多いです。定期テストや模試の問題をしっかり復習すれば書けるレベルです。

大問数は毎年6問。大問1が小問集、大問6が複合問題です。大問2~5は物理・化学・生物・地学から約17点分ずつ出題されます。大問2が生物で固定されているとかではありませんし、生物なら人体が必ず出るというような傾向も決まっていません。各分野まんべんなく出るので、1つの単元に絞った勉強法は禁物です。

また、思考力問題も出題が多いので、丸暗記勉強ではなく「なぜ?」を常に考えて学習しましょう。例えば「全身を鏡で映すには、鏡の長さは身長の半分以上でなければいけない」ということを丸暗記するのではなく、なぜ身長の半分が必要なのかを作図で求められるようになることが必要とされます。教科書の熟読がお勧めです。理科の教科書、実はかなり細かく書かれていますし、練習問題もなかなか難しいです。

英語の傾向と対策

大問1:リスニング
大問2:並び替え・英作文
大問3:対話文
大問4:長文

石川県公立高校入試の英語は、大問3の対話文をどう乗り切るかにかかっています。大問3は図やグラフ、パンフレットなどを見ながら答える問題で、非常に難解です。多くの受験生がここで時間を取られてしまい、大問4の長文を読むための時間が十分に取れなくなります。泉丘高校合格には大問3を乗り切る必要があり、そのためにも英検準2級以上の英語力がほしいところです。

英作文は大問2と3と4の中に出てきます。それぞれ「3語以上で」「4~8語で」など語数指定のある短文英作が1問以上ずつ出ます。また大問3では「あなたが○○さんなら何と言うか」という英作文の問題が、大問4では長文について会話する2人がいて、会話の所々にある空所に適切な英作文を書くという問題が出ます。このように、英作文は「誰かになりきって書く」問題が特徴的です。

リスニングは15分ほど放送、配点は30点。問題はA,B,Cからなります。Aの問題は対話文を聞いた後に、その内容について質問され、正しい英文を選ぶ問題です。Bの問題はAと同様に対話文を聞いた後に英語で質問され、図やグラフから正しい答えを選択する問題です。Cはpart1とpart2があります。part1では長めの対話文を聞き、その内容に合うように空欄に適語を入れる問題です。part2では長めの文章を聞き、その内容について正しいものを選択したり記述したりする問題です。

大問2は傾向が頻繁に変わります。2023年度からは並び替えと英作文の問題になりましたが、それまでは適文補充(中程度の長文に空欄があり、話が繋がるよう適切な英文を選択肢から選ぶ)でした。2025年度も並び替えと英作文だと思いますが、念のため適文補充の練習もしておくことです。

社会の傾向と対策

大問1:世界地理
大問2:テーマ別歴史
大問3:憲法・三権分立
大問4:日本地理
大問5:明治~戦後の歴史
大問6:金融・消費

記述問題が全体の約3分の1を占めており、とても多いです。2024年度は41設問中14問、2023年度は34設問中12問、2022年度は35設問中12問が記述問題でした。そこまで難しいものは出ませんが、記述問題をまとめた問題集などを一度しっかり演習しておくべきです。

大問2の「テーマ別歴史」はどのような問題かといいますと、例えば2024年度は「日本の社会と経済」について奈良時代から江戸時代まで出題されました。2023年度は「地方の状況」について平安時代から江戸時代まで。2022年度は「政権の変遷」について平安末期から江戸時代まで。2021年度は「法や決まり」について奈良時代から江戸時代まで。

このように1つのテーマについて幅広い時代(多くが江戸時代まで)で問うのが大問2です。明治時代以降は大問5に出題されます。ほとんど戦後史まで出題されます。出来事を時代順に並べる問題は大問2か5に必ず出ます。

地理は、グラフ・地図・表などを読み取る問題が多く出題されます。資料を読み取る問題を集めた問題集を何か1冊仕上げ、この問題形式に慣れておく必要があります。また、資料を用いた記述問題は、書き方の決まりを守れていない受験生が多いので、お子さんに自己採点を任せるのはお勧めできません。

数学の傾向と対策

大問1:小問集
大問2:規則性・箱ひげ図・確率など
大問3:関数
大問4:連立方程式
大問5:作図
大問6:平面図形
大問7:空間図形

数学は最優先で対策すべき科目です。難易度が高いというのもその理由の大きな1つとなりますが、2日目の最後にある科目だから、という理由も大きいです。受験1日目、もし思ったほどの手応えを感じられなかったら。数学が得意な子なら「よし、2日目で取り返そう!」と思えますが、数学が苦手だと・・・

そして加えて、石川県公立高校入試の数学はそこまで難しくありません。では、なぜ平均点がここまで低いのか。それはやや難レベルの問題ばかりだからです。このレベルの問題は、数学が大得意な子にとっては平易に映ります。しかし、まあまあ得意レベルの子には太刀打ちできません。

つまり、そこの壁を乗り越えることが出来れば簡単に80点90点以上取れますが、乗り越えられない場合は50点60点ほどに、そして標準レベルの数学力しかないと30点40点ほどとなってしまうのです。泉丘高校合格には大得意レベルの数学力が必要である、と断言します。

大問4の連立方程式もやや難レベルですが、加えて計算もやや面倒くさいものが多いです。まあまあ得意レベルの子はこの大問4で時間を取られるケースが多いです。当たり前のことなのですが、連立方程式など計算力の鍛錬も前述の壁を乗り越えるのには必要です。

図形の証明問題は例年1問しか出ません。図形の証明だけが極端に苦手な子は「捨てる」というのも作戦の1つになります。ただし、その分を方程式や関数、図形の求積などの分野から取り返せるだけの実力を身に付けておかないといけません。

最後に、数学力を大得意レベルまで養成するにはどうすればいいか。小学生時代に算数を頑張って勉強していたことは必須です。そのうえで「中学3年間分の予習を早く終える」「良質な難問に触れる」の2点が必要です。やみくもに難しい問題に手を出しても意味がありません。中にはただ面倒くさいだけの難問もありますから。良質な難問とは、出題者の意図が見える難問です。そういう問題に多く触れれば、お子さんも数学が大得意になります。

泉丘高校の倍率

倍率は例年1.2倍前後です。

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