金沢市統一テストをはじめ、第1回の地域統一テストが近づいてきましたね。中学3年生にとっては、これが私立高校入試を占う大切なテスト。どの中3生も「ここで結果を出したい!」と、懸命に勉強していることでしょう。
さて、そんな統一テストの準備に欠かせないのが過去問演習。
学校や塾で配られた過去問を使って対策しているご家庭も多いと思います。当塾でも希望者には過去問をお渡ししています。
しかし、ここでぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは――
「模範解答が必ずしも完璧とは限らない」という点です。
模範解答の「落とし穴」
実際の例を挙げましょう。
ある年度の社会の問題に、明治時代初期の官営工場に関する記述問題がありました。問題文には、資料1として「フランス人と日本人の賃金」が示されていました。
ところが、驚くことに、模範解答の中にはこの賃金に関する記述が一切なかったのです。
資料の要点に触れていない回答、これは統一テストの採点者においては「×」がつく可能性が高いです。F中学のT先生のような丁寧な採点をされる先生なら「資料を読んでいない」と判断されるのでは、と思います。
模範解答をよく読むと、「一応それらしいことは書いてある」と感じる部分もあります。しかし、採点者の視点によっては、「資料にまったく触れていない」と判断される可能性もあるのです。
ですから、記述問題では、誰が見ても「資料のこの部分を使っている」とわかるような、明確で根拠のある書き方を心がけることが大切です。
自己採点の際は「大人の目」を
もちろん、すべての模範解答が誤っているわけではありません。
ただし、特に記述問題に関しては、子どもだけで丸つけをすると正誤判断があいまいになりがちです。
ですから、答え合わせの際には、できるだけお母さんや塾の先生など「大人の目」で確認することをおすすめします。
「これは資料に触れているかな?」
「問題文の指定にしっかり答えているかな?」
そうした視点で見直すだけで、学習効果がぐっと上がります。模範解答をうのみにせず、「根拠を持って書ける力」を育てるチャンスにもなるのです。

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