テスト力不足とは

石川県総合模試第4回の結果が本日、返却されました。教室の子たちには色々とコメントしながら返しています。その中で、私が一番悔しい思いをするのが、

学力があるのにテスト力がない

という子の答案です。悔しいというより怒りですよ(笑)。ということで本日は、そんな悔しさや怒りを込めて、テスト力とは何かを書いていきます。




テスト力とは

今日返却された子の数学を例に、書いていきます。

(例1)難問に時間をかけすぎ見直しができていない

この子は大問1で2問、大問6と7の(1)を両方落としていました。数学力が低い?いいえ、作図や証明の問題は解けているので、一定以上の学力はあります。見直しをして計算間違いなどに気が付ければ解けていました。

しかし、見直しの時間が取れなかった、とこの子は言っていました。原因は、大問7の難しい問題に時間をかけすぎたからです。難問に時間を使うと、簡単な問題なのに失点することが多々あるのです。

まず見直しの時間は必ず10分取ると決めておきましょう。それも必ず簡単な問題から見直しを。そして難問は諦める潔さも大切です。すぐにやり方が思い浮かばない問題なのに、50分という短い時間内で解き方がひらめく奇跡は滅多に起こりません。

取れるところから確実に取る。鉄則です。

(例2)なぜか全部消す

連立方程式の問題。式は立てれていたのに計算が合わず、計算をやり直すために解答欄の式のほとんどを消したそうです。そこで終了のチャイムが鳴ったとのこと。

連立方程式の問題は、式が立てれていれば部分点がもらえます。しかし、全部消すと部分点も消えます

これと同じ例として
・作図問題で途中まで書いたのに全部消す
・国語の作文を全部消す
・国理社の記述問題を全部消す
などがあります。

全部消す子たちに言いたい・・・頼むから部分的にだけ消して!しかしなぜだろう、テスト力の低い子は全部消すのです。それも終了時刻直前に。部分点で稼ぐことを覚えてほしいです。

(例3)思い込み

これは2年前の中3(現高校2年生)でもありました。問題には「n」と書いてあるのに、解答欄には「x」と書いてしまう子。文字式の問題なら、文字は常に「x」と思い込んでいるのでしょう。

数学の文字には、xもnもmもpもtもよく出てきます。思い込まず、しっかり問題文を読んで。自分がうっかりさんだと自覚している子は、問題文の文字に丸印をつけてチェックすること。




点数=学力×テスト力

学力が高いから点数が高い、とは限りません。学力に点数が見合わないなんてこと、しょっちゅうあります。今までも、そして今回も。

そういう子は総じて「テスト力」が足りないのです。

テスト力を上げるには、上にも書きました
・見直し時間を10分取ると決めておく
・部分的に消しながら訂正する
・問題文中の大切な部分に丸印をつける

等々、初歩的なテクニックもありますが、最も大切なのが
・過去問をやるときは時間を測る
です。上の3つの例も、タイムマネジメントができていれば解決できたはずです。

受験生に「時計をしっかり見ようね」なんてアドバイスは「小2の算数かよ!!」と突っ込まれそうですが、タイムマネジメントが下手すぎてテスト力を下げている子、案外多いのです。

上の例に出てきた子も、テスト力不足が原因で合計35点ほど失点していました。模試の「偏差値早見表」という、塾の先生にしか配られない裏資料がありますが(裏資料なので私は公開しません)、その子があと35点あったら・・・偏差値の10の位は1つ上がっていました。ああ、もう!!




学力を認めながら叱る

叱るポイントを間違えてはいけません。

点数の低い理由が学力の場合
これは学習量をストレートに叱ればいいです。

点数の低い理由がテスト力の場合
表面に見えているものが点数しかないので、学習量を増やせと叱る方も多いですね。しかしこれは逆効果です。なぜなら、点数不足は学力不足ではないからです。鍛えるべき部分は学習量ではありません。

その見定めは、塾の先生などに頼るのが良いかと思います。プロに頼りましょう、ということです。私の教室の子なら、私の目を頼ってください。

そのうえで、お子さんへの伝え方。
・うっかりミスさえなければ偏差値60だったのに!二水は安全圏、泉丘は挑戦圏の学力なのよ!!
・計算間違いが多すぎる!計算さえできれば偏差値65、つまりそれだけの学力なの!!


学力を否定しないであげてください。どの受験生も、学力を上げるために日々勉強をしています。なのに、学力は身に付いているのに、保護者の方に学力を否定されれば・・・。

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