【金沢大学附属中学受験】国語の攻略法 記述・読解問題を徹底解説

金沢大学附属中学受験

金沢大学附属中学の国語入試は、

大問が2つで構成されています。

1つ目が「説明文」、2つ目が「物語文」で、

読み取り力と記述力の両方が求められる構成です。




単なる「正誤の判断」ではなく、

筆者の考えを理解し、自分の言葉で要約する力

が重視されているのが特徴です。




問題数と記述問題の特徴

出題される設問数は毎年若干の変動がありますが、

例年13〜18問程度となっています。

たとえば令和7年度は13問、6年度は17問、5年度は18問

というように年によって異なります。

そのうち記述問題は字数制限があるものが多く、

20字前後で要点を的確にまとめる力が求められます。




ここで重要なのは、「感想」ではなく「要約」

が問われている点です。

たとえば「筆者はなぜそのように考えているのか」

を短くまとめる問題がよく出されます。

普段から文章を読んで要点を整理する習慣を持つことで、

この力は確実に伸びていきます。




家庭では、お子さんがまとめた要約を大人が添削し、

表現や構成を一緒に見直すことがおすすめです。

お子さんの自己採点はNGです。




漢字問題の傾向

漢字は、各大問の冒頭に2問ずつ、計4問

ほど出題されるのが定番です。

内容は「読み」ではなく「書き」が中心で、

これは平成29年度以降一貫しています。




難易度はそれほど高くありませんが、

「小学校で習う漢字は完璧に書ける」ことが大前提です。

意外と「送りがな」や「とめ・はね・はらい」

などの細部で減点されることもあるため、

基礎を大切にして丁寧に練習しておきましょう。




説明文の出典と対策

近年の説明文では、社会学・心理学・哲学・環境学など、

小学生にはやや難解なテーマが扱われています。

以下に令和以降の出典を紹介します。

・令和7年度
 『悪口ってなんだろう』(和泉悠)
・令和6年度
 『日本人のすごい名言』(斉藤孝)
・令和5年度
 『はじめての哲学』(藤田正勝)
・令和4年度
 『自分の顔が好きですか? 顔の心理学』(山口真美)
・令和3年度
 『ひとりで、考える』(小島俊明)
・令和2年度
 『環境とつきあう50話』(森住明弘)
・平成31年度
 『面白くて眠れなくなる植物学』(稲垣栄洋)

このように、内容は専門的

大人でも読みごたえがあるものばかりです。

小学生がいきなり理解するのは難しいため、

家庭では新聞記事や子ども向けのニュース記事を活用し、

「説明文の構造に慣れる」ことが有効です。




親子で記事を声に出して読み、要点を話し合う習慣

をつけると、自然と「考えを整理する力」が身につきます。




物語文の出典と注目ポイント

小学生が共感しやすい「人間関係」がテーマ

なっていることが多いです。

先生と生徒、親子、兄弟、友人など、

身近な関係性を軸に物語が展開されます。

以下に出典を紹介します。

・令和7年度
 『今日もピアノ・ピアーノ』(有本綾)
・令和6年度
 『空をこえて七星のかなた』(加藤朋子)
・令和5年度
 『ふたりのえびす』(高橋美由紀)
・令和4年度
 『朔と新』(いとうみく)
・令和3年度
 『ハルと歩いた』(西田俊也)
・令和2年度
 『奮闘するたすく』(まはら三桃)
・平成31年度
 『こんぴら狗』(今井恭子)

出典は2015年以降の比較的新しい作品が中心で、

会話のテンポや表現も現代的です。

たとえば令和6年度の問題では

「ウザい」「コピーアンドペースト」といった表現が登場しました。

今後は「エモい」「ガチ」といった

若者言葉が題材になる可能性もあります。

つまり、古典的な文学作品だけでなく、

現代的な感覚を理解できる柔軟さが必要です。




作文は出題される?

作文は、過去に出題された例はありますが、

平成25年度以降は出題されていません。

そのため直近では可能性が低いと考えられます。

ただし「記述力」を問う流れは強まっているため、

いつ再び出題されても対応できるように準備しておくことは安心につながります。




注目したい「ひねりのある問題」

令和6年度には、次のような工夫された問題が出題されました。

「声高」は「こわだか」と読みます。このように、2つの漢字の組み合わせで元の読みが変化する熟語を、次の漢字を使って2つ作りなさい。
【船・晴・雲・雨・旅・天】

このような問題は、単純な暗記だけでは解けません。

漢字の知識を「活用する力」が試されています。

附属中学の入試は今後もこうした思考力型の問題が増えていくと予想されます。




まとめと家庭での学習アドバイス

金沢大学附属中学の国語入試は、

単なる読み取り力だけではなく、

記述力・要約力・現代語表現への理解力

など、幅広い力が求められます。

説明文対策には「新聞・ニュース記事を親子で要約する習慣
物語文対策には「現代的な小説を読む経験
記述対策には「短い字数で要点をまとめる練習」「大人が添削

こうした積み重ねが合格への近道になります。

お子さん一人では続けにくい部分もありますので、

ぜひ保護者の方が伴走者となってサポートしてください。

コメント