【金沢大学附属中学受験】総合(理科・社会)とは?出題傾向と家庭での対策法

金沢大学附属中学受験

金沢大学附属中学の入試の「総合」とは

「理科・社会」をまとめたものです。

内容は幅広く、単なる知識だけでなく、

思考力・読解力・記述力が問われるのが特徴です。




ここでは、近年の出題傾向をもとに、

保護者の方が知っておきたい

「理社の対策ポイント」を具体的に紹介します。




金大附属中学の総合とは?試験の特徴

テスト構成:大問は3つ、記述問題が中心

総合の試験は、B4サイズの用紙4枚

で構成されています。

うち2枚が社会、2枚が理科となっており、

毎年おおむね以下の構成です。

大問1:社会(地理・歴史・公民)
大問2:理科(化学・物理系)
大問3:理科(生物・地学系)

一部の年度では順番が入れ替わる

こともありますが(例:令和3年度は大問1・2ともに理科)、

構成自体は毎年ほぼ一定です。




記述問題が非常に多いのが最大の特徴

金沢大学附属中学入試の「総合」では、

記述問題の割合が非常に高いです。

令和7年度:17問中8問47.1%
令和6年度:14問中11問78.6%
令和5年度:16問中8問50.0%

中には1つの問いの中に①②③と小問が連続し、

それがすべて記述形式というケースもあるため、

実際の記述問題の量はもっと多いといえます。




国語の入試では作文が出題されませんが、

「総合」で作文力が問われているとも言えます。

普段から要約や意見文などを書く練習をしておき、

できれば大人が添削して「伝わる文章」のトレーニングを積みましょう。




金大附属中学入試の社会:用語の暗記だけでは不十分 理由説明が重要

社会の記述問題では、

「なぜそうなったか?」「どういう意味か?」

を説明させる問題が非常に多く出題されます。

重要なのは、単なる暗記ではなく、

背景や理由を自分の言葉で説明できるかどうかです。

以下は、最近出題された記述問題の例です。

令和7年度
・なぜ夏の間だけ茨城県のレタス出荷量が少ないのか
・元寇後、竹崎季長が幕府に訴えた内容
・三権分立がなく、すべてを1機関が担ったときに起きる問題点
令和6年度
・ユニバーサルデザインとは何か
・藤原道長がどうやって権力を握ったか
・聖武天皇が国分寺や国分尼寺を建てた理由
・水田作業が機械化できない理由(資料読解)
令和5年度
・なぜ臨海部に自動車工場が多いのか
・資料から読み取れる日本農業の特徴
・遣唐使に僧や役人が多かった理由

このように、

資料の読み取り・因果関係の説明・歴史的背景など、

さまざまな観点から「説明力」

を求められるのが特徴です。

教科書に出てくる言葉を、

ただ覚えるだけでは対応できません。

意味や流れを理解し、

親子で「なぜ?」と考える習慣が重要です。




金大附属中学入試の理科:身近な現象と結び付けて説明する力が問われる

理科の記述問題では、

身の回りの現象と理科的知識を結びつけて説明する力

が求められます。

「理屈を知っている」だけでなく、

「それを応用して説明できるか」が問われるため、

普通の問題集では対策が難しいのが実情です。




以下に近年の出題例を紹介します。

令和7年度 大問2(3)
(ろうそくや酸素・二酸化炭素の問題が(1)(2)で上で出題されています)
工場などの火事で油などが燃えると、温度がとても高くなり、水を直接かけると爆発する危険がある。そのようなときは、消火用の薬品と水を混ぜ合わせてつくった「あわ」を、燃えるものにかける。この「あわ」によって火が消えるのはなぜか。

令和6年度 大問2(1)
同じ形・大きさだが素材の違うスプーンを用意した。それぞれプラスチック・銅・鉄でできている。その3種類のスプーンに同じ形と大きさの氷を乗せ、スプーンを手で握った。5分後、スプーンの上に溶け残っている氷の量を観察したら以下のようだった。
  プラスチック > 鉄 > 銅
この結果から、固いアイスクリームを一番すくいやすいのはどのスプーンか、その理由もあわせて答えなさい。

令和5年度 大問2(3)
17世紀、ふりこ時計の登場によって、時計がより正確なものになりました。時計にふりこを用いることで、より正確になった理由を、ふりこの性質を元に説明しなさい。

令和5年度 大問2(4)
ふりこ時計のふりこの部分は、金属でできています。冬になると、ふりこ時計の針は、どのように進むと考えられますか。ア~ウから1つ選びなさい。また、その理由も説明しなさい。
  ア はやく進む
  イ 変わらない
  ウ おそく進む





ご家庭でできる金大附属中学入試【総合】の対策3つ

理科・社会は、単に知識を詰め込むだけ

では不十分です。

ご家庭でできる学習法を以下にまとめました。




① 要約・説明の練習をする

新聞記事や教科書の段落を要約する練習

を習慣づけましょう。

1〜2文で「要点を伝える」力を養います。




② 用語を「説明できるか」確認する

「ユニバーサルデザインって何?」「比熱とは?」

と聞かれたときに、自分の言葉で説明できるか

チェックしましょう。

語句テストは丸暗記ではなく

「語彙の理解」がカギです。




③ 過去問に慣れる

金沢大学附属中学入試の理社は出題形式が独特なため、

市販の問題集だけでは不十分です。

必ず過去問を複数年分解き、

出題傾向と問い方に慣れておく必要があります。




まとめ:金大附属中学入試の【総合】は「説明する力」が合格のカギ

金沢大学附属中学の理科・社会は、

単なる暗記では対応できません。大切なのは

「なぜそうなるのか」「どうしてそう言えるのか」

を、自分の言葉で説明する力です。




そのためには日々の生活の中で

「考える」「言葉にする」習慣を育てること

が何よりの対策になります。

保護者の方も、ぜひお子さまとの会話の中で、

「どう思う?」「なぜそうなる?」

と問いかけるようにしてみてください。

入試だけでなく、これからの学びに必ず役立つ力になります。

コメント