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「どうしてこの子は、やるべきことがあるのに、いつも後回しにするのかしら・・・」
「やりなさいって言っても、『だってやる気ないし』って返される・・・」
そんなふうに、我が子のやる気のなさに、モヤモヤしているお母さん、いませんか?
実は、やる気が出ないのは意志の弱さのせいではありません。
そして、やる気は「気合い」で出すものでもありません。
もしもお子さんが「勉強に前向きになれない」「すぐにダラけてしまう」
・・・そんな状態でも、困っているお母さんに何かしらのヒントになればと思い、このブログを書いています。
「気合い」では続かない ― ハイモチベーションの落とし穴
「さあやるぞ!」
と、多くの人が気合を入れて物事に取り組もうとします。
これを「ハイモチベーション」と言います。
つまり、テンションを一気に上げて行動するやる気の出し方です。
でも、この方法には大きな落とし穴があります。
それは「急に上がったものは、急に下がる」ということです。
最初は勢いよくスタートしても、数日、あるいは数時間でやる気がストンと消えてしまう・・・。
そんな経験、きっと誰にでもあるのではないでしょうか?
お子さんが「今日から頑張る!」と言ったのに、次の日には元に戻っていた――
それは意志が弱いのではなく、この「ハイモチベーション」に頼っていたからかもしれません。
「動けばやる気が出る」は本当。これは効果的です。でも……
次に紹介されているのは「アクションモチベーション」。
これは、「とりあえず始めてみると、だんだんやる気が出てくる」という現象です。
例えば、お子さんが嫌々勉強を始めても、だんだん集中してきて調子が出てくる。
そんなときが、まさにアクションモチベーションの働きです。
実際、心理学的にも証明されている方法です。
「とりあえず5分だけでもやってみる」
簡単にやる気を出すのなら、これが一番です。
とりあえず5分だけでいいので、勉強をやってみる。
そうしたら自然とやる気が続けて出てきます。
「やる気が出ない?塾に来て勉強したら自然とやる気は出てくるよ。だから・・・さっさと塾に来い!!」
これでほぼ全て解決します。
でも、今回はもっと掘り下げます。
「そもそも5分ですら踏み出せない」という問題を抱えている子もいるでしょう。
「やればできるのに、やる気がないから始められない」
「最初の5分がどうしても動けない」
やる気がかなり低い(ゼロ?)子どもたちがぶつかる壁です。
脳が勝手にやる気を出す「ギャップモチベーション」
ではどうしたら、自然とやる気が湧いてくるのでしょうか?
ここで登場するのが、「ギャップモチベーション」です。
これは、自分の中の「理想の状態」と「今の自分」とのギャップ(差)を脳が感じ取ったとき、そのギャップを埋めようとして、自動的にやる気が湧いてくるという現象です。
たとえば・・・
お子さんが
「中間テストで90点を取りたい!」
と強く思ったとします。
でも、今の点数は60点。
すると、頭の中で「このままじゃダメだ」というギャップを感じ、「どうすれば届くのか?」を考えるようになり、やる気が自然と湧いてくるのです。
このやる気は、無理やり出す必要がありません。
脳が自動的に「動こう」としてくれるのです。
「未来記憶」をつくる ― お子さんの中に“理想の未来”を育てよう
このギャップモチベーションを上手く使うカギが「未来記憶」です。
これは、「なりたい自分」や「叶えたい目標」をリアルにイメージすることです。
たとえば、「志望校に合格して、笑顔で制服を着ている自分」を想像したり、「テストで満点を取って、友達や先生に褒められる瞬間」を思い浮かべる。
この“感情のこもった未来の記憶”が強ければ強いほど、現実とのギャップが生まれ、それを埋めようとやる気が生まれる、という仕組みです。
お子さんにはぜひ、「夢や目標を、具体的にイメージする」時間を作ってあげてください。
頭の中で見るだけではなく、声に出して「○○になりたい!」と言わせてみるのも効果的です。
「体験」と「失敗」は、やる気の“貯金”になる
さらに、このギャップモチベーションをより働かせるには、「過去の記憶」も重要です。
・前に頑張って成功した経験
・失敗して悔しかった記憶
・努力が報われた瞬間
これらの体験が、お子さんの中に残っていると、
「前はできたんだから、今回もやってみよう」
「悔しい思いはもうしたくない」
という気持ちが働きます。
ですから、成功体験だけでなく、失敗体験も大切にしてほしいのです。
失敗こそが、未来のやる気の“燃料”になることもあるのです。
お母さんへ――やる気は“無理やり”ではなく、“自然と湧き上がる”もの
「うちの子、どうしたらやる気を出してくれるんだろう…」
と、日々悩んでいるお母さんへ。
どうか、やる気を「出させよう」と無理に働きかけないでください。
まずは、お子さんの中に“理想の未来”を育ててあげること。
そして、いろんな体験をさせて、過去の記憶を増やしていくこと。
この二つの“ギャップ”が、お子さんの脳を自然と動かし、
やる気を生み出してくれます。
未来記憶を描く力は、子どもにとって“生きる力”の一つです。
お子さんが、自ら動き出すその日が、必ず来ることを信じて――
どうか、あたたかく見守りながら、サポートしてあげてくださいね。
もちろん、私たちの塾もそのサポートは惜しみません。
私たち塾も、お母さんと一緒に、お子さんの背中を押せる存在でありたいです。
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