寝る子は賢い

勉強法

四当五落

四当五落という受験用語があります。

睡眠時間を4時間まで削ったら合格できる。

睡眠時間を5時間も取ったら落ちる。


そんな意味の四字熟語です。

ただ、これは「東大新聞」の受験生向けの記事で完全否定されていましたが・・・




この四字熟語がよく言われたのは、1950年代から1990年代。

もう30年以上も昔です。

四当五落の考えは、もはや化石です。

今では四当五落を唱える教育者は、いません。




何時間睡眠がベストか

ペンシルバニア大学の研究です。

6時間睡眠を2週間続けた場合、連続2日間睡眠を取らなかった時と同程度まで認知能力が低下する、ということが判明しております。

ショートスリーパーでもない限り、6時間では足りません。




しかし、睡眠時間が長すぎてもダメ。

サンディエゴ州立大学の研究です。

9時間以上睡眠すると、認知機能の低下、メンタルの悪化、モチベーションの低下など睡眠不足と同じような不調があらわれることが判明しております。




以上から7~9時間の睡眠時間が最適でしょう。

四当五落なんて、とんでもないですね。




睡眠と記憶

脳は、睡眠中に寝る直前の記憶を定着させる性質を持っています。

ですから寝る1時間前は暗記系の勉強がお勧めです。

具体的には、英単語・漢字・社会・生物系の理科・日中に勉強していて間違えたことの復習です。




そして、リヨン大学の研究です。

今回のブログは大学の研究を多く引用します。

夜勉強したことを、睡眠して朝一番で復習すると、記憶にかかる時間が半分になり、より長期的に記憶が保持されることが判明しております。

寝る前暗記と朝イチ復習。

これを毎日繰り返せば、もの凄いスピードで知識を習得できます。




以上のことから、つまりこうです。

寝不足の子は記憶力が悪い

こう断言してもいいでしょう。

「うちの子、暗記が苦手で・・・」

そう嘆くお母さん。

お子さんの睡眠から見直してみるのがいいかもしれません。




私の「困った体験」

ここで、ちょっと過去の生徒のお話を。

とても困った生徒とお母さんのお話です。




塾でいつもウトウトしている生徒がいました。

何度注意してもウトウトしています。

そこで私は、その子に「何時に寝ているのか」聞きました。

そして、こんな答えが返ってきました。




お母さんが付きっ切りで3時まで勉強させられるから、それから寝る。




中学3年生の子でした。

受験も近づいてきた10月頃だったと思います。

お母さんも熱が入っていたのでしょう。

でも、午前3時まではやり過ぎです。

私はお母さんに連絡し、注意することに。




私「お母さん、お子さんを早く寝かせてください」

母「なぜですか?」

私「塾でウトウトしているからです」

母「叩いてでも起こしてください」

私「しかし、3時まで勉強は、やり過ぎです」

母「そうは思いません」

私「でも、現に不調が出ています」

母「だって、同級生のほとんどが3時まで勉強しているって噂ですよ!うちの子だけ3時前に寝かせる訳にはいきません!!」

私「そんな噂、ウソに決まってるでしょ!」

母「むきーっ!!ウソなわけないでしょ!!!」




口論になりました。

私の若かりし頃のミスです。

でもこの子、やはり成績は低かったです。

なぜか。

それは、ここまでお読みになった方なら分かりますよね。




しかし同調圧力って嫌なものです。

受験直前期にはこういう噂も流れるのでお気を付けください。

ちなみに、上に書いた噂、やはりウソだったそうです。

人の足を引っ張る悪意ある噂、怖いですね・・・




さぁ寝ましょう!

でも、今の保護者世代って四当五落の時代なんですよね。

四当五落と言われていた時代に受験生でした。

だから子どもにも四当五落を押し付ける保護者は多いと聞きます。

受験漫画で有名な「二月の勝者」。

「島袋くん(小6)」という登場人物のお父さん(DVの人)も四当五落を唱えていました。




東大に合格した子たち。

金沢大学の医学部などに合格した子たち。

これら私の元生徒たちは、いずれも12時前には寝ていました。

11時就寝、6時半起床が多かったです。

賢い子はしっかり寝ています。




野球の大谷翔平選手。

枕をオーダーメイドしているのは有名です。

世界で活躍する人も、睡眠を大事にしています。




四当五落をまだ唱えている方がいたら。

その化石となった考えを捨てましょう。

もう時代は令和です、情報をアップグレードする必要があります。

睡眠を削って勉強しても意味がありません。

頭が悪くなるだけでなく、免疫力も落ちて風邪も引きやすくなりますよ。




最後に・・・サンドイッチ勉強法

上に少し紹介しましたが、リヨン大学の研究を応用します。

寝る1時間前から暗記系の勉強をし、7時間半寝て、起きて朝一番で30分間復習する

この勉強法を、私はサンドイッチ勉強法と呼んでいます。

睡眠を、勉強でサンドイッチしているからです。

まあ、名前はどうでもいいのですけれどね。




暗記系を伸ばすにはサンドイッチ勉強法が非常に効果的です。

ただし、1つ注意があります。

寝る前1時間勉強と睡眠の間に余計なものを挟まないことです。

例えば、勉強してからYouTubeを見て寝たり、勉強してからマンガを読んで寝たりすることは厳禁です。

勉強が終わったら出来る限り速やかに寝ましょう。




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