こういうアドバイスは伸びない

塾長の指導観

例えば国語が一番伝わりやすいかな?





国語の点数が取れない、という子にも数パターンあります。





たとえば、読解はできているけれど、論理的に答えを導き出せない子。

答え方が分からない子、とも言えます。

または、答えの探し方が分からない子、とも。

そういう子に、読解を指導しても伸びません。

論理的に答えを導き出す方法を指導しないといけません。





たとえば、読解がいまひとつだが論理的思考はできる子。

こういう子は、読解を100%できていないと答えが出せないと思い込んでいるパターンが多い。

60%読解できていれば答えを導き出せるという手本を示せば、こういう子の場合、国語に食いついてくることが多いです。

数学が得意な理系っ子に好まれるアプローチです。





もちろん、根本的な読解力が低い子もいます。

ちょっと時間がかかるパターンです。

でも、読解力が低い理由分析を見誤ると、もっと時間がかかります。

漢字が読めないのか。

語彙が足りないのか。

落ち着きがないのか。

経験値が少ないのか。

※経験値が少ないとは・・・たとえば小1の子に恋愛関連の物語文を読ませても理解できませんよね。他にも、野球を知らない子が野球の物語文を読んでも理解できませんね。冬期講習のテキストに「度胸試しに蛇を捕まえてみろ。他の子はみんな捕まえれるぞ。」という話が出ていましたが、昭和の田舎で蛇を素手で捕まえて遊んだことがあるか、またはそんな昔話をおじいちゃんおばあちゃんから聞いたことがあるか、で理解度は大きく変わります。こういう経験値です。

経験値の少ない子に漢字を覚えさせても伸びません。

旅行に連れて行ったり読書させたりで伸びます。

落ち着きのない子に語彙の単語帳を渡しても無理です。

そもそもの生活態度から変えないといけません。





苦手にも色々なパターンがあります。

得意になるためにも色々なアプローチがあります。

いずれにせよ、現状の正しい分析とアプローチの仕方をお子さん本人と話し合う必要、そしてそれに納得してもらう必要があります。





なのに、

「国語が苦手ですか。それでは読書をしましょう。」

とか単一的な答えで済ませていいのでしょうか?

・・・よくありませんよね?

こういう単一的なアドバイスは、お子さんを伸ばしません。





他の科目も同じです。

数学でも、数学の学力不足以外にも、勘違い、計算違い、読み間違い、写し間違いなどあります。

計算間違いだって、分数、小数、展開、符号など様々です。

なのに「難問に慣れましょう」「計算練習しましょう」と単一的にアドバイスしてもダメです。

英語も、理科も、社会も同様です。





お子さんの「できない」を分析する。

そして、その改善策をお子さんと共有・共感する。

文字通り、十人十色のアドバイスがないと伸びません。

あ、もちろんですが、お子さんの共感能力および「点数を伸ばしたい」というお子さんとの共通認識がないと成立しませんので、この2点は大前提ね。

お家でのアドバイスの参考になれば、と思います。





追記

特に令和の子はそうかな?

叱咤激励系のアドバイスは全く伸びません。

昭和も遠くなりましたね。

中学受験漫画で有名な「2月の勝者」をお読みなら、島津君のお父さんが典型的な例です。

コメント