金沢大学附属中学受験 算数について

金沢大学附属中学受験

金沢市の寺町・泉野エリアにあるONE進学塾、塾長です。

本日最後に、算数について少し詳しく。

あ、でも、問題を掲載するなどはしません。

傾向と対策というか。

どんな単元の問題が出て、どれくらいの難易度で、どういう対策をすればいいのか、等々書いていきます。





大問1
計算問題です。小問2つは例年通りです。そして、計算を工夫して行えばとても簡単に解けるという「ただ計算させるだけではない」という点も例年通り。作問者の算数への愛情を感じます。分配法則や小数と分数の知識などで工夫すれば簡単になります。

大問2
速さの問題。行きと帰りの2場面ある問題。中学生の方程式ではよく出題される形式ですが、小学生の教科書では1場面しか出ない問題が多いので、速さの単元の理解が浅いと苦しんだのでは?教科書の深いレベルでの理解が必要です。

大問3
最大公約数を利用した図形の問題。これは教科書レベルです。

大問4
四角形の面積を求める問題。特殊な四角形でもなく、ダイヤ型(ひし形など、対角線が直角に交わる四角形)でもないので、公式や裏技が通じません。こういう四角形は三角形に分割して考えるのが通例ですが、これも通用しません。長方形から周りの三角形を引き算するという発想の転換が必要なので、思考の柔軟性、すなわち多くの問題を解いた経験値が重要です。

大問5
平均算。平均算の工夫まで知識があれば、多少簡単に解けます。この問題も大問2同様、教科書レベルの問題ではあるのですが、教科書の深い理解が必要です。難しい問題集ではなく、教科書です。

大問6
台形と規則性を組み合わせた問題。台形を図形的に分割して考えることが出来れば規則性に気付くはず。中学受験でよく出る規則性といえば「等差数列」「階差数列」で、それらの数列にはそれぞれ裏技がありますが、そういう規則性ではありません。中学受験の裏技主義に対するアンチテーゼを感じる、というのは言い過ぎでしょうか。

大問7
仕事算。どちらの仕事が速いか比べる問題、両者とも仕事を同時に始めると何分で終わるか求める問題、と典型的でした。が、後半の問題が若干面倒くさいです。あまり詳しく書けませんが、仕事の合間に挟む「5分間の休憩」が絶妙でした。

大問8
体積と比。「○㎤で□gなのでこの立体は何gですか」と、まずは体積を求め、次に比を使って質量に直す問題です。そこまで難しくありません。教科書にも出てくるレベルです。円周率が絡むので計算間違いにだけ気をつけましょう。

大問9
割合の問題。「1年生で○○と答えた人数は、6年生で○○と答えた人数と同じ(割合は異なる)」など、( )内の言葉を脳内で付け加えたりなどして問題文の理解を進めていかないと、大混乱になります。問題文を正しく読み取り、情報を正しく処理する能力が必要です。そして(2)は、その処理した情報を自らの言葉で表現する問題も出てきます。情報処理能力、記述力が試される問題でした。



全体として

難易度は標準的です。教科書学習のみでも合格点は取れます。が、その教科書を、かなり深いレベルで理解していないと入試問題に対応はできません。教科書の問題を友達に解説するなどすると、理解が深まります。逆に、中学受験用の難しい問題集は対策として必要ありません。有名なテキスト「予○シリーズ」「○小学生問題集」など、解けてもいいですが必須ではありません。

出題単元に関しては、特に決まった傾向などはなく、速さ・割合・平均・平面図形・空間図形・規則性とバリエーション豊富です。どこかの単元を限定的に学習すれば合格する、という甘いものではありません。教科書を網羅的に理解・演習することが求められます。苦手単元をなくすような学習をしないといけません。

中学受験の裏技などはほぼ通用しません。「そんな簡単に解かせない」「算数の真の理解を求める」という作問者の強い熱意を感じます。この傾向は毎年みられるので、安易に裏技で解く勉強法はやめた方がいいです。塾などの模擬試験で点数は取れても、本番では取れない(取らせてもらえない)です。





・・・以上です。

「具体的には書かないで」「写真掲載などはやめてね」と言われているので、かなりぼかしましたが、今の5年生以下の子たちのやるべきことは伝わったかと思います。

凡事徹底とは言いますが、基礎標準的な学力を完璧にすることが合格への道になります。

いたずらに難問をやらないように。

難問は、リフレッシュのために時々やる程度で。

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